随分と間が空いてしまいました。きわめて忙しかったこともあるのですが、この2回後に書きたいと思っている内容をうまくまとめることできず、考え込んでいたのもあります。もう忘れ去られているかもしれませんが、これまでの議論の続きを行います。 前回は\(|…
このシリーズは5~6回で終わるつもりにしていました。が、書いておいた方がよいかと思うことは次々に出てくるもので、前回まで引っ張り、ようやくおしまいと思っていたところ、またまたネタが出てきたので、あと数回続きます。ここまでの詳細な議論に興味の…
長々と多くの式を並べてきましたが、ユニバーサルジョイントの基準点の角度や角速度がどの程度異なってくるのかを、いくつかの数字を入れてグラフで見てみたいと思います。 ここでは、ジョイントを2度から14度まで2度ずつ変化させて見ます。2つのジョイント…
2つのユニバーサルジョイントを組み合わせたときに、最終伝達面の基準点の角度\(\xi\)は、駆動面の駆動点の角度\(\theta = \omega t\)を用いて次の式となるのでした。 \(\xi=tan^{-1}(\frac{sin(\delta)+tan(\omega t)\cdot cos(\delta)\cdot cos(\alpha)}{c…
もともは、「ユニバーサルジョイントを正しく使わないと、動力側と伝達した側とで角速度が異なる」ということからスタートしましたので、ここでは角速度の式を導出してみたいと思います。角速度は、時間によって変化する角度を時間で微分すれば得ることがで…
さて、正規型ユニバーサルジョイントを2つ組み合わせたときの(\theta)と(\xi)との関係は、 (tan(\xi)=\frac{sin(\delta)+tan(\theta)\cdot cos(\delta)\cdot cos(\alpha)}{cos(\delta)-tan(\theta)\cdot sin(\delta)\cdot cos(\alpha)}\cdot \frac{1}{cos(\…
簡易型ユニバーサルジョイントを2つ組み合わせた場合の解析を行います。正規型ユニバーサルジョイントを2つ組み合わせた図と同様のものを下記に示します。 前回の議論から、駆動面(赤の円)を移動する基準点の(x)軸に対する角度(\theta)と、伝達面(青の楕…
これまで議論してきたユニバーサルジョイントとは異なり、模型では下図のように構成を簡素化したユニバーサルジョイントが使われることが多くあります。ここでは、これまで議論してきたものを正規型ユニバーサルジョイントと、簡素化したものを簡易型ユニバ…
大学の一般教養課程で、「図学」を学びました。3次元空間の物体の幾何学的な関係についての問題を2次元の紙の上に表現して解く、と言えばよいのでしょうか。白状すると、「とりあえず単位はもらいました」程度の成績だったのですが、その理由の一つは「解こ…
次に、2つのユニバーサルジョイントを組み合わせる事を考えます。 まず、前回の議論で、駆動面に対し伝達面が(\alpha)だけ傾いている場合、駆動面を回転する基準点の(x)軸に対する角度({\theta})と、伝達面を回転する基準点の(x)軸に対する角度({\varphi})…
数学でベクトルという概念があり、その基本的な性質の一つが、「直交する2つのベクトルの内積は0になる」というものです。わかりやすく言うと、原点*1から、座標*2を結んだ線と、原点*3から、座標*4を結んだ線とが直交する、つまり90度で交わる場合、(x \cdo…
ユニバーサルジョイントを構成する十字型の部品の2つの軸の先端がどこを動くか、を示したのが次の図となります。ここで、十字型の部品の中心、つまり、2つの軸が交差する点を原点*1とします。また、水平面上(赤い円)を移動する軸に取り付けられたフォーク…
念のため、今回の議論に必要となる最低限の三角関数の復習をしておきます。 原点\*1\)となります。 また、\(sin(\theta)\)を\(cos(\theta)\)で割った値を\(tan(\theta)\)と呼びます。つまり、 \(tan(\theta)=\frac{sin(\theta)}{cos(\theta)}\) です。 角度…
2つの軸が斜めに接続されて回転するということは、そもそもどういうことかということを考えてみたのが下の図です。 2つの軸は緑色の斜めの線で示した面で接します。2つの赤い矢印の位置を絶えず一致するようにすれば、2つの軸は同じ速度で回転することにな…
dda40xさんのBlogでたびたび取り上げられるユニバーサルジョイントの使い方ですが、阿里山のShayが間違っているらしいということにはびっくりしました。 ユニバーサルジョイントの不等速性については、すでにdda40xさんがわかりやすい動画を紹介され、また、…
久しぶりに新刊の本を買いました。正確には、発売が予告された時点で予約をしていたものがようやく発刊され届いたものです。 Know Thy Niagaras Tom R. Gerbracht New York Central System Historical Society ISBN 978-0-492-08187-7 New York CentralのNia…
私が以前メンバーだった、Silicon Valley LinesのビデオがYoutubeにアップロードされましたので、紹介しておきます。TSG Multimedaという鉄道模型関係のビデオ制作会社の専門の人が撮影したものだけに、クオリティが高く、単に見ているだけでも楽しめます。 …
先日、「走れ!機関車」という絵本の紹介をしましたが、その記事を書いている際にアメリカに滞在していた時に買った絵本を思い出しました。ようやく探し出したので、ご紹介します。 John Henry Julius Lester (文) Jerry Pinkney (絵) ISBN: 978-0140566…
Paul Water Kieferは、New York Centralの設計部門で、有名なHudson(4-6-4)、Mohawk(4-8-2)、そしてNiagara(4-8-4)の設計に携わり、最終的にNYCのMotive Power and Rolling Stock部門のChief Engineerとして活躍した人です。その業績をたたえ、アメリカの機…
週末の時間のある時に、近所の子供向けの図書館で絵本の読み聞かせのボランティアをしています。この図書館が最近購入した本が、大陸横断鉄道完成時の様子をよく伝えていると思ったので紹介します。 走れ!!機関車 ブライアン・フロッカ作/絵 日暮雅道 訳 …
最後に、左右非対称、かつ力のかかり方が不均等な場合を考えてみます。まずは、Pratt Truss Bridgeの場合です。この場合も、中心から右上方向の部材は圧縮部材として機能することがわかります。 続いて、Baltimore Truss Bridgeの場合です。少しずつ位置がず…
もう少し複雑な例として、6パネルに拡張した例を考えます。計算方法はこれまでに述べてきたことと何ら変わりませんので、結果のみ示します。 まずは、中心に100の力が加わったPratt Truss Bridgeの場合です。Baltimore Truss Bridgeについては、小さなトラ…
前回同様の、橋の下部のすべての節点に均等に力が加わる場合をBaltimore Truss Bridgeで考えてみます。下図のとおり、I、G、J、C、K、H、Lの各店に下向きに(\frac{100}{7})の力が加わるとします。 これまでの計算どおり、A点、B点のそれぞれに上向きの50の力…
今回は、力のかかり方が中心だけではない場合を計算してみます。下図のとおり、Pratt Truss BridgeのG、C、Hの3つの節点のそれぞれに均等に(\frac{100}{3})の下向きの力が、橋全体には合わせて100の力がかかることを想定します。 まず最初に、A点、B点にかか…
今回は、前回と同様の計算をBaltimore Truss Bridgeで行ってみます。前回同様、橋の中心(C点)に下向きの100の力がかかると、橋の下辺の両端であるA点、B点には上向きの50の力がかかり、A-M、A-Iの構造材にかかる力は前回と同じ計算で求めることができます…
今回より、橋の構造部材にかかる力の計算の具体例を何回かに分けて取り上げてゆきます。 なお、話を簡単にするために、以後のすべての議論において、力のかかるのは節点のみとします。また、計算を簡単にするために、斜材の角度はすべて60度とします。したが…
模型にはほとんど関係のない話ですが、自分自身の備忘録のために書き残しておくこととします。大部分の方には興味のない話と思われますので、読み流してください。この分野の造詣は深くはありませんので、説明が不十分であったり、不適切な表現があることが…
だいぶん前の話となりますが、Western Pacificで使われていたカブースを知人のJohn Plocher氏ご夫妻が引き取り、自宅の庭に据え付け、現在は奥様のKaty Dickinson氏がご自身のお仕事のオフィスに使っている、ということを書きました。この、購入から現在に至…
dda40xさんのところから、このようなものがやってきました。 旧いUnimatです。故Y氏の所有されていたものとのことです。Unimat-3に切りかわった70年代後半まで生産されたということですから、製造から40年以上は経っていることは確実ですが、特に使用に差支…
つらつらと書き連ねてきた橋の設計の話題は今回が最終回です。 今回Blogの記事を書くにあたって、図面を描き始めたころのデータを確認したところ、2015年6月という日付が記録されていました。最終的に図面が完成したのが2016年10月なので、一年ちょっとかか…